色葉にほへと
散りぬるを
新緑が茂り
花弁はひらひら
落命のように
新生のように
舞う
命ごと
燃え尽きてしまいそう
その風景に
心ごと
奪われてしまった
わたしが、散っていく
舞い散る春
落命のように
掬いあげる花弁
呼吸のように
はじまりと
おわりの
朝
色葉にほへと
散りぬるを
新緑が茂り
花弁はひらひら
落命のように
新生のように
舞う
命ごと
燃え尽きてしまいそう
その風景に
心ごと
奪われてしまった
わたしが、散っていく
舞い散る春
落命のように
掬いあげる花弁
呼吸のように
はじまりと
おわりの
朝
定まらない僕の中心が
暴れ出して海も空も喰らう
飲み込まれた海は
水を腐らせて
飲み込まれた空は
酸素を与えず
花は枯れ
土は怒りを隠せず
輪廻は止まり
何も生み出さない
世界が俯いて
光が沈み
僕の名前はどこかへ消えて
曖昧な言葉すら
見あたりはしない
消えて、消えて
何もかも消えて
僕が死に
海が還り、空が還り
森が生き返り
花が咲き誇り
土が優しく受け入れ
柔らかな輪廻が始まる
一本の線が
無数に広がり
音に乗って
言葉が始まる
神様、というのが僕の名前だった
海原に溶けだした
白い、涙
拡散した光を集めて
作り出した、雪
僕にしか見えない
僕だけが知っている
はじまりのうた
知られない夢
彼方、立ち尽くす
色彩の濁流に
飲み込まれてしまう
混ざり合った僕らは
生まれ変わるような
生き続けるような
変わらない夢で
終わらない夢で
はじまりの夢で
どこかで聞こえた、声
何も見えないから
涙も殺して
何も言えないから
舌を噛み切る
鳥のように飛べたら
何も後悔しないか
蝶のように美しければ
何も求めないか
不満だらけの僕は
不満だけを生み続けて
不平だらけの僕は
不平しかない世界に住んでる
変われ変われ
願うばかりの星も
今夜は見えない
陽が登り
新しい一日を喜ぶ心も
どこへ捨てたか知らない
教えてください
絶望の先に何があったか
教えてください
夜の闇に何を隠したか
もしも
夢で見た
星の欠片のような
あのキラキラとした石を
目が覚めて握っていたら
この言葉をすべて
空気にしてしまえるのに
あくまでも夢か理想か無の話
蝶の少女が言いました
わたしが与えるのはいつもそう
夢か理想か無の話
夢だと気付かず
キラキラとした鱗粉を雪だと思い
冬を追いかける子供
理想主義の青年は
蝶の少女を見つけて
これは神だと崇めてしまう
無しか信じない誰彼は
わたしそのものに目もくれず
色眼鏡を外せない
皮肉にも
わたし自身が夢か理想か無の存在
蝶の少女は歌い出す
その歌声だけは
誰の耳にも残っている
現実世界の悲しい童謡
ふと、思い出し歌ってみれば
自分こそが蝶の少女で在る
そう気付くだけ
冬でもなければ、神様でもない
無の存在でもなければ
ただの「わたし」
蝶々、蝶々
飛び回り
今日も誰かを捕まえる
いつだって焦がれていた、青
空であり、海であり、涙であった
地平線も見たこともない目が
手のひらに涙を零し
一番小さな地平線を作る
どこまでも終わらない瞬間
矛盾した言葉の中に見つける真実
果てしない道を行く人の背中
寂しいことばかり
寂しいいろばかり
いつだって焦がれていた
青は
遠く、手が届かない、遠く遠く
心の中に「ぽちゃん」と落ちて
波紋を広げていく
記憶の奥底から掬い上げ
雫となった涙が、また
ぽちゃん
静まることのない水面は
指の隙間から零れ落ち
気がつけば大地はカラカラに枯れて
また空を見上げる人々の姿があった
青は
そういう色である
青と赤の隙間で
猫が居眠りをはじめる
赤と黒の隙間で
少女が電線の上を歩きはじめる
自由がどこにあるのか
探して歩いているの
少女はそう歌っていたが
すぐそこで居眠りをしている
猫の夢の中には気がつかず
電線の上を歩き続けることになる
わたしは赤の時間になると
毎日空を見上げては
少女が歩いていることを確認して
ひとり寂しくなる
落ちてしまいそうな黒に
少女が消える時
猫は目覚めて
にゃあ、と鳴く
猫はこの上なく幸せそうに
灯りの中
毛づくろいをはじめるのだが
少女はどこに消えただろうか
夢のポケット
落ちていく深い深い茜の空
電線の上を歩いているだろうか
誰にも見つからない
自由の中を
歩いているだろうか
甘い空を舐めていた
雲に溶け込みそうな夏が
終わってしまう
大きく見えたひまわりが
わたしの背丈よりも小さくなって
俯いて命を沈めた
駆け抜けていった少女
振り返りもせずに
この夏も駆け抜けていった
ひらりひらり舞うスカートに
秋の匂いを残して
そうしてわたしを置いていく
雲の隙間から覗いた
その顔は僅かにしか見えない
甘い空から降る雨を
受け止めるこの手も甘く
夏の罪は熟れて
秋の贖罪は終わらない
少女は一人きり
終わらない夏に置き去りになって
夕陽と共に
沈んでいくのだろう
甘い空から零れる雫
甘い空を舐めているわたし
甘い涙を見せていた少女
全て眠らせて
今年の夏が往く
あなたまでの距離を
雨に例えるなら
夏の夕立のよう
ざっと降って
潔く去る夏の夕立
泥だらけのこの思いを
雨に例えるなら
梅雨の小雨のよう
じっとり降って
ぐずついた雨模様
全て全て
雨で流してしまえばいい
この眩暈も
この思いも
全て全て
雨で洗い流してしまえば
あなたへの雨は
両の目から零れ落ちる
小さな海と
今でも心に降り続ける大雨
まるで台風のように
わたしの心をなぎ払って
まるで何もなかったように
掻き乱し去っていく
たった一滴の水のことを
「あなた」と呼んでいるのです
この悲しみをどこかへ捨てたら
誰かが拾ってしまうのだろうか
わたしがあなたの悲しみを
拾って涙したように
誰かが泣いてしまうのだろうか
全てを背負って歩くには
ほんの少し重たくて
全てを拾って歩くには
この胸に広さが足りなくて
もしも
感情処理機があったなら
幾多もの悲しみが処理されて
感情処理機があったなら
幾多もの怒りが処理されて
人の心に安らぎが降るだろうか
穏やかな陽射しの中で
くつろぐ猫のようになれるだろうか
花びらが散るように潔く
動物が死を迎えるように潔く
あなたがわたしを捨てるように潔く
この悲しみを捨てたいだけ
もしも
感情処理機があったなら
安らかな明日に目覚めるだろうか
白濁の空に
朝陽
群青の空に
月光
そうやって
毎日が過ぎていく
悪くない
雨が降るように
幸せが降り注ぎ
土が固まるように
愛情が固まる
いつの間にか
見逃していた
いつの間にか
忘れていた
盲目の日々に
大手を振って
いざ往こうか
最果ての地を
終わりの歌をいくら書いても
何も終わりに出来ない
脆弱なわたし
踏み出す一歩
その勇気すらなく
眩暈などに襲われている
何を終わらせればいい
色恋沙汰なら放っておけ
人間を辞めるとは可能か
死ぬことは本当の終わりか
論点は多い方がいいだろう
迷い人は是非
天使を迎える準備をしよう
必要なものは林檎と蝋燭と白い花
五日間蝋燭を焚くらしい
願い事は三つまで
君を嫌いになる方法
と、頭に過って
それ以上何も思いつかない
そんな自分に気がついて
少し、泣いた
天使はここに来るべきじゃない
消えてしまってもいいと
思った日もあった
存在を叫びたいと
思った今日があった
わたし、を刻むなら
あなた、がいいと思った
恋でもなく
愛などでもない
かつて
わたしの中央にいた
あなた、がいいと思った
死んでしまいたいと
思った日はもはや数え切れず
生きていたいと
思うだけで涙を流す日々があった
わたし、を刻むなら
あなた、がいいと思った
何度でも
そう思うことだろう
既に刻まれているとも知らずに
生きるという意味を知らずに
あなた、を選び続ける
太陽に焦がれたが
わたしは雲だった
あなたの存在を
隠してしまう
雲だったのだ
雨よ降れ
全てを隠して夜になれ
闇の中でなら
わたしはわたしで居られる
風に生まれたかったか
水に生まれたかったか
何もかも遮る
壁に生まれたかった
ただ、
光を自分だけのものにしたくて
時間は止まらないから
思うココロを止めた
それだけのことなのに
誰も彼もが大騒ぎ
あの子は時間を止めたのに
わたしは時間を止められない
いいことなのか
わるいことなのかは
さておいて
ブレーキは効く間にかけた方がいい
見えはしない
あなたの云う「 」など
見えはしない
此処には
何もない
其処には
何がある
乱雑に扱った「 」が
転がっていたが
受け止めるには
わたしは拙い
蹴飛ばすには
わたしは幼い
どこまで明日を見上げても
橙に染まる夕暮れ影の中
取り残された「 」だけが
夢にまで見た「 」だけが
消え行く瞬間を待ち侘びて
わたしを見ている
わたしだけを見ている
広い広い電子の海で
出逢ってしまった
あなた、わたし
隣で猫が囁こうとも
聞かぬふり
深い深い森の奥
その名を「心」と呼びました
あなた、わたし
気づかぬ内に
秘められた森で迷子
どこへいくの
どこでもいいの
だってわたしたち
迷子でしょう?
迷える子羊には神様がいるが
迷子のわたしたちに
神様などは必要じゃなくて
いつまでだって迷っていたい
衝動だけが消えない
浅い浅い微睡の中
眠り姫にそっと口づけ
あなた、わたし
何かが狂ってしまっても
猫だけは知っている
猫だけが呟く